赤十字講座を修了?
2018-01-30


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昨年の秋から通っていた「明学赤十字講座」が先々週で終了した。体調不良で休んだ1回を除き、全14回の講座をほぼ修了(?)することができた。明治学院大学にPRIMEという国際平和教育に特化した研究所があって、学外者にも開かれた講座を続けている。本講座も今年度開かれた三つのうちの一つだ。
 “赤十字”を選んだのには少しだけ理由がある。ここ数年、難民の問題が世界的な拡がりを見せていて、様々な情報に触れることが多くなった。国境なき医師団、SSFA2017「戦争と生きる力」プログラム、UNHCR難民映画祭、NHK日本賞など…。それに加え、韓国勉強会の主宰が赤十字に就職したので、血液センターでの研修の話などを聞いたこともある。
 学習目標に「人道的な危機に対する国際社会の取り組みを、その現実と理論を含む、多様な視点で理解する力を養う」とあるように、担当教授や赤十字職員、国際平和学研究者、国際NGOスタッフなど多彩な講師が、生活を破壊された“難民・国内避難民”等の権利保護や、そうした人々を生み出す紛争の解決のための国際的な取り組みについて語った。最終回にはそのような取り組みを国家レベルで推し進めているスイスの駐日大使館公使の話もあった。
 いずれの講義も、具体的な支援活動や国際的な合意形成の現場で培われた重い言葉であったが、それらの実態がメディアを通して十分に認識されているとはまだ言えない。おそらく、この講義を受けた学生の中から次代の取り組みに直接関わる人が出ないとは限らないが、何よりもまず“知る”ことから出発するためにどうするかが、とても重要な問題として共有されていたことは間違いないだろう。
 最終回に配られたICRC(赤十字国際委員会)監修のパンフレット(日本語版)は、スイス連邦外務省が編集し、在日スイス大使館が発行したものだった。その内容は、国際人道法を理解するためのトピックをわかりやすく解説したものであるが、このような取り組みこそ、現政権が毛嫌いする憲法前文の国際協調政策に最も相応しいものだ。そして、その政策を進める政治家がスイスの人々によって選ばれていることこそが、“知る”先に見える答えなのかもしれない。
[政治]

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