「政治の話をするな」という最も政治的な言葉
2020-05-13


こういう時だから“政権”の批判をするなという言説をみかける。それは、時に新型コロナウィルスとの“戦争”というメタファーと一緒に語られることも多い。ウィルス発生のメカニズムは様々だろうが、現在流行しているCOVID-19は人為的に造られたものではない。だから、“戦争”という安易な言葉で対応を考えてはならない。現政権の対策の多くが非常時において有効な手段となっていないのは事実であり、明日の生活にも困っている人が多数出ていることは間違いない。政府首脳が今何を最も気にしているのかについては、既に多くのネット民も気付いているように、それは緊急事態宣言の出口戦略でないことは明らかだ。“自警団”のような“正義”を振りかざして罪も無い人を傷つける行為と、“公僕”(もう死語か?)として働くことを拒否している為政者への“批判”を同じ俎上にのせることをためらわない気分は、昭和前期の戦時中と良く似ている。まさしく“戦争”のメタファーに囚われているがゆえだろう。
 同時に、この国ほど「政治的な発言はするな」という“極めて政治的な”発言が蔓延する国は他にないのではないかと疑うばかりである。
[政治]

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