死者にこそ学ぶ政治決断
2021-01-20


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NHK出版が一昨年から出している「学びのきほん」という薄い冊子風のシリーズ本がある。昨年末、その一冊として出た『自分ごとの政治学』刊行に合わせて、著者中島岳志と内田樹の対談がオンラインで開かれた。私の政治的な立ち位置は“本来の保守”に近いので、中島岳志氏の考え方には共感するところが多い。1時間ほどの対談だったが、様々な示唆に富む面白いものであった。
パソコンでたくさんメモを取りながら聴いたが、整理する余力がない。だから、二つだけ紹介する。彼が一番嫌いな言葉は「スピード感」だそうだ。「即断する政治家は信用できない」とも語っていた。もちろん、その反対は“熟慮”であって優柔不断ではない。そして、「死者」をただ現世的に都合良く利用するのではなく、彼らが信託してきた“立憲”をこそ、私たちは自らのものとして取り戻さなければならない。
ちなみに、対談に繰り返し出てきたオルテガの『大衆の反逆』は100分de名著でも紹介されている。民主主義は多数決ということではないというところから出発して、その制約や不自由さを深く考えたものである。
[読書]

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