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望恨歌(その6) 『望恨歌』の第6回ワークショップには作者である免疫学者多田富雄氏の「スーパーシステム」の話が出てきました。“変容する「自己」に言及しながら自己組織化する動的な仕組み”を理解するのは難しいのですが、たとえばある公演を観終わった後の身体(と意識)が、観る前と微妙に異なっていると感じられることそのものが、“生命”のダイナミックな変化だとは考えられないでしょうか。それは、単に感動が記憶されるということではなく、小さな細胞が外的な刺激に対して賦活することの集合のようなものであって、興奮して眠れなくなるというのも、その一つでは無いかと勝手に想像します。“能”は数ある伝統芸能の中でも一際その効果が強いのでしょう。だからなのか、槌宅さんの“笛”の音がいつも震えながら身体に染み込むように感じるのです。
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