日々の綴り方
2020-02-15


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午前中の日本語レッスンが留学生の事情で中止になり、家で昼食のそばを茹でながらのんびり過ごした後、妙蓮寺の旧「こいしどう書店」へ向かった。新しく「本屋 生活綴方(つづりかた)」と称して生まれ変わり、本日オープニングイベントが開かれた。会場には日めくりカレンダーの一枚一枚に様々な絵を描き込んだ不思議な絵画作品が壁一面に展示されている。2016年から4年を過ぎてその数は1500枚を超え今も続いているそうだ。
 トークイベントのゲストはその絵を描いた佐々木未来さん。そして、昨年それを書籍として発行したAmbooksの矢萩多聞さんである。グラフィックデザイナーでもある佐々木さんが、2015年の暮れに大鳥神社で買った“熊手”にたまたま日めくりカレンダーが付いていた。その1月1日に小さなイラストを描いたのがきっかけで、いつのまにか日々の句読点のようにめくりちぎった一枚に様々な意匠を凝らした絵を描き込み続けるようになる。
 聞き手の矢萩さんは横浜出身。中学1年で学校を辞め、インドに通いながらペン画を描き続け、帰国後は装丁家として活躍。インドのタラブックスにも関わって日本で関連イベントを開いたところ、そこに佐々木さんが参加して、その様子を一枚のイラストにしたという。
 その後、様々なつながりがあって、昨年の瀬戸内アートブックフェアへの出品につながる。今回のトークイベントはその新刊『日めくりと私2018』の刊行記念でもある。日めくりに書き始め続けてきた経緯、二人が選んだ7枚+αの紹介、描くために使う画材の数々、数字から発想される造形など、様々なエピソードを交えながら、最後はお二方によるライブペイントで締めくくられた。20分ほどの時間で2月15日のカレンダーが変貌していく。それはとても見応えがある時間だった。なにげない日めくりの一枚が生活に彩りを与える様子は「本屋 生活綴方」の開店にふさわしいもので、集まった参加者はそれぞれに暖かいものを受け取ることができたと思う。
 個展は毎週末の金・土・日、3月1日までの開催。是非ともご覧あれ。
[読書]

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