本が読めない人を育てる国
2020-08-11


数年前から日本近代文学の研究者紅野謙介氏が繰り返し新書などで指摘してきた「国語教育」の問題が、ようやく顕在化してきたようです。「論理国語」という課目で“実用文”ばかり読まされる中高生たちの悲惨な状況が想像できます。以前その事例として取り上げられた「契約書」の類は、外国人のための日本語教育で読解の例文に多数出てきます。つまり日本で生活する上での最低限の自立を促すための文章です。
 ここ数年、伝統芸能や“語り”について自分なりの経験を深めている一番の理由は、何より日本語が達者な留学生や元留学生と、日本という「辺境」に生まれた豊かな文化を一緒に学びたいからで、その依って立つ社会が崩れていくのは耐えられない思いです。
 この記事は連載の5回目ですが、最初から読めます。
[読書]

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